ジブリ高畑勲『かぐや姫の物語』50億の技術は絵巻物鳥獣戯画から
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出典:cinemacafe.net
今夏、映画『風立ちぬ』の公開と引退で話題になった宮崎駿監督。
そして今秋。
誰もが知りえなかったかぐや姫の真実を描いた高畑勲監督の映画『かぐや姫の物語』が11月23日に全国ロードショーで公開されます!
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予告編で受けた衝撃!
予告編をご覧になりましたか?まだの方はこちら↓
【ジブリ新作】かぐや姫の物語 最新予告ノーカット版 / "Kaguya-Hime no Monogatari" Full ...
まず見て、誰もが「これアニメなの?」と思ったはず。
まるでスケッチの線描が動いているような、
背景と登場人物がそのままに漫画が動いているような、
一枚の絵そのものが動いているような。
衝撃でした。
高畑監督の著書『十二世紀のアニメーション―国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの』を思い起こさせます。
日本の絵巻物はアニメと類似点が多い
日本の絵巻物はアニメーションとの類似点が多いことは昨今言われています。このかぐや姫の物語も、監督は鳥獣戯画のようなタッチで予定していると発表していました。
『信貴山縁起絵巻』の場面展開の部分で上手く霞が利用されていたりするのもアニメ的で面白いですし、
出典:Wikipedia
飛んでくる雲の後ろに続く飛行機雲のような雲の通過後の表現はまさにアニメ『ドラゴンボール』の筋斗雲。
出典:Wikipedia
出典:Naverまとめ
そのような興味深い表現もさることながら、絵巻の右側を内側に回して、左側を外側に回す、あるいは両側を外側に回すなど見る側のちょっとした調節で時間的な流れができるといった絵巻独特の鑑賞法に時間的な視覚芸術の原点を見いだしている作品です。
絵巻物は時間的経過が分かる視覚技術
絵巻物は動画ではありません。しかしながら背景と人物が同じ紙面上に描かれていて、一枚の絵として見ることができます。一枚の絵として見ることができながら時間的経過が分かる視覚芸術といえます。
高畑監督は絵巻物を再構築できるか?
日本の12世紀中旬ごろの絵巻物が再構築され、現代のアニメーションとしてよみがえった時に、「動くことはできたけれども、背景と登場人物が別の画像」というのが技術面やコスト面で付きまとっていた問題だとすると、高畑監督は日本のアニメーションの原点に挑戦したかったのかなぁと高畑監督と絵巻物に思いをはせてしまいます。
アニメーションの破壊と再構築。
制作費50億円。
この表現をするために従来のスタジオとは別の新たなスタジオを作っています。
御歳78歳。脱帽です。
新しいものを生み出す時のパワーが感動を呼ぶ!
アニメーションに限らず、何事もそうなのですが、新しいものを生み出すときには、一生懸命に何かを生み出そうとするパワーがあります。そのパワーに人は惹きつけられます。
それが技巧化し、形式化されてくると一番大事なそのものの持つ本質がどこかに行ってしましがちです。人はそれを敏感に感じ取ります。
ここで満足。アニメとはこんなもんだ。絵とはこんなもんだ。芸術とはこんなもんだ。これが正しいやり方だ。
こう思った時点で退廃の一兎をたどります。
『竹取物語』を題材としたのも興味深いですね。「ああっ。こういう切り口もあるのか」と。材料はどこにでも転がっているものですね。それを手に取るか取らないかは自分次第。
私たちも78歳の高畑監督に負けないように常に追求心を持っていたいものです。
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