なぜ「風立ちぬ」声優にエヴァの庵野秀明?下手な棒読みは宮崎駿の"あえて"
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宮崎駿監督映画『風立ちぬ』がテレビ放送されますね!仕事が忙しくて映画館に見にいけなかった方、見たけどまた見たい方、DVDを借り損ねている方、金曜ロードショー必見ですね。『風立ちぬ』堀越二郎役の庵野秀明さんをおさらいしてみましょう。
声優は誰?堀越二郎は『新世紀ヱヴァンゲリヲン』庵野秀明
自主制作作業で忙しく、大学には顔を出さずそのまま学費を払わないでいたら、いつの間にやら放校処分。それを機に東京へ就職活動。結果 、宮崎駿監督に「風の谷のナウシカ」('84)の原画として採用される。それを頼りにカバン一つで上京
主人公・堀越二郎役には『新世紀ヱヴァンゲリヲン』シリーズ総監督の庵野秀明さん。
宮崎監督映画『風の谷のナウシカ』の巨神兵登場シーンを手がけられているのは有名な話ですね。
庵野秀明さんは宮崎駿監督のことを
いや、すごい人です。僕の第二の師匠です。
庵野秀明の「風の谷のナウシカ」回想録 | ジブリのせかい【スタジオジブリ非公式情報サイト】 宮崎駿・高畑勲・スタジオジブリ情報
といっています。思想的なこととか仕事のやり方とか、すごく尊敬されているようです。宮崎監督から
確か毛沢東の言葉だと思うんですけれども。物をなし遂げる3つの条件っていって、若いこと、貧乏であること、あとは無名であること。
庵野秀明の「風の谷のナウシカ」回想録 | ジブリのせかい【スタジオジブリ非公式情報サイト】 宮崎駿・高畑勲・スタジオジブリ情報
と教わっていたようです。
こういっていただけると元気が出ますね。
今の日本というくくりにしてもいいのかどうか分かりませんが、
閉塞感というか、マンネリ化というか、何かを成し遂げようとする気持ちが弱まっていたり、子どもや若い人たちを育てようという気持ちが低下しているのが現状。
若いことを応援してくれる存在と言うのはありがたいですよね。
若くて貧乏で無名なら失敗しても誰もとがめません。
大変なのは名声を得てからかもしれません。
期待にこたえなければならない、でも自分は新しいことをしたい、
という葛藤は作り手なら大なり小なり感じることですよね。
新しいことをする際に、それが商業ベースに乗らないと、
今後の仕事に差し支えるとか出てくるでしょうし。難しくなります。
かといって成功した過去にとらわれすぎていて創造することをやめてしまってはね。クリエイターとして生きていけません。
庵野さんが今後どんな作品を手がけていくのか楽しみですね。
余談ですが、
漫画家の安野モヨコさんは奥さんです。
安野モヨコさんの『監督不行届』は庵野秀明さんとの結婚生活を元にした漫画です。
天才と呼ばれる人、一つのことを突き詰めて真剣にやっている人は、やはり普段がどこかずれているんでしょうね。おもしろいですよ。
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宮崎監督の声へのこだわり
宮崎監督の最近の映画って、あまり本業としての声優さんを、主要な役柄においていないというか、バラエティーに富んでいるというか。
俳優であったりタレントであったり。
おもしろいなぁと思います。
"All the Japanese female voice actors have voices that are very coquettish and wanting male attention, which was not what we wanted at all."
宮崎監督が受けたガーディアンニュースのインタビュー。
ざっくり訳したら、
「日本の女性声優は艶っぽく、男性の注意を引きますが、私たちはそれを望んではいない」
と言った感じです。
もちろん宣伝効果のために俳優さんを起用している部分も無いとは言い切れないと思いますが、大げさではない感じのしゃべり方や声がいいのかもしれませんね。
脇は声優さんで固められていたりしますので、主役級の素人っぽい感じとのとのバランスもとられているのかなと思います。
堀越二郎役の庵野秀明さんの台詞回しも、
『となりのトトロ』のサツキとメイの父・草壁達夫役の糸井重里さんとか、
『耳をすませば』の月島雫の父・月島靖也役の立花隆さんとかの、
朴訥としたしゃべり方に共通する感じがあります。
素人くさいと言えばそうなのですが、自然というか普通な感じを受けます。
役作りは、素人なのでやっても無駄ですから、意図してやっていません。素のままぶつけて宮崎さんが気に入ればいいし、違えば直していこうと思っていました。役柄についてはあまり説明がなく、注文もそんなにありませんでした。アフレコ2日目くらいから、宮崎さんがニコニコと、とても喜んでいる様子で。それだけでよかったなと思います。
しゃべり方が技巧的でない分、口にする一つ一つセリフが際立つのかもしれません。
実際に堀越二郎自身も朴訥な話し方をするような感じだったようです。
いろいろと考えさせられる映画で、これから生きていく大人たちや青年向けですね。
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