『風立ちぬ』お菓子の名前何?シベリアは長崎かす巻き・とら巻きに類似
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宮崎駿監督の作品っていつも食べものがおいしそうですよね。ハイジのチーズとか、トトロのきゅうりとかハウルのベーコンとか。『風立ちぬ』に出てくる懐かしいお菓子ご存知ですか?「シベリア」と言います。映画を見終わったとたん食べたくなった方、続出です。同時においしそうと思ったのが主人公のタバコ。お菓子シベリアと堀越二郎のタバコの銘柄についてまとめています。『風立ちぬ』を2倍楽しめます。
宮崎駿監督の作品の中に出てくる食べものたちは、見ていると匂いやそれらを食べたときの舌の記憶とかが呼び起こされて、映画の途中なのに無性に食べたくなってしまいます。
ストーリーの本筋とは離れていますが、食べものとか身近なものがリアル分、ストーリーが厚みをもってくる感じがします。
宮崎監督映画『風立ちぬ』では「シベリア」。
おいしそうという観点では今回はタバコのほうが強かったかもしれませんが。
ちなみに堀越二郎愛用のタバコの銘柄は「CHERRY(チェリー)」。
東日本大震災による工場の被災により生産の中断に追い込まれたが、2011年5月12日には販売量が少ないことを理由に、そのまま販売を再開せず廃止することが発表された
宮崎駿監督もご愛用のタバコです。
廃盤になっちゃったんですね。
シベリアとは?
引退を発表した宮崎駿監督のアニメ映画「風立ちぬ」に登場した「シベリア」と呼ばれる懐かしいお菓子に人気が集まっている。1916年(大正5年)の創業 以来の製法で作り続けている老舗パン屋「コテイベーカリー」(横浜市)には「映画を見て食べたくなった」と全国から注文が相次いでいる。
出典:
懐かしの菓子「シベリア」人気 映画「風立ちぬ」に登場 :日本経済新聞
『シベリア』というお菓子が生まれたのは明治後半から大正初期頃です。当時のパン屋では、どの店でも、このお菓子が作られていました。パン焼きがまの余熱を利用して焼いたカステラと、あんぱんに使うあんを使って作られました。
映画の公開以降、細々とつくり続けていたパン屋さんに注文が殺到したみたいですね。
私もそういえば昔食べてました。
昔ながらの地元のパン屋さんが近所の駄菓子屋さんに卸していたので買って食べていたのですが、『風立ちぬ』を見て「まさかこんなところでお会いするとは」という感じです。長崎だったせいなのか、田舎だったせいなのか、売ってありましたよ。
カステラ生地に羊羹が挟まっていて、四角いサンドウィッチ状のものでした。
映画を見たあと、シベリアが食べたくて食べたくて。
その日は、とりあえず、食パンにストックしておいたあんこをはさんで食べました。。。これではアンパンと変わらない。。。
こんなとき通販って便利ですね。
昔ながらのパン屋さんなら探せば置いてあったりします。
山崎製パンから「三角シベリア」の名前で出ていますね。
シベリアの由来と長崎かす巻き・とら巻き
シベリアの由来は様々。
1930年代のコメディアン、古川ロッパの著書にもミルクホールのシベリアの記述が見られ、大正時代にはすでに存在していたものです。
名前の由来も様々で、シベリアの永久凍土説や、シベリア鉄道説、シベリア出兵説などがあります。
首都圏を中心とした東日本と中部地方では広まっているが、逆に近畿地方を中心とした西日本や九州では、あまりなじみがない。
どうやらロシアとは無縁ではないようだが、ロシアはもちろん外国にもシベリアと同じような菓子は存在しない。それどころか関東以外の地方ではほとんど見かけないという。
関東の職人さんが考えたものなのでしょうか?
「九州では、あまりなじみがない。」という見方があるようですが、これにはちょっと疑問が。
関東にゆかりの職人さんで、シベリアと何らかの接点もしくは思いがあって誕生したのかなぁと思われますが、長崎に名前は違いますが、カステラと餡子を使った郷土菓子があるんですよね。
私の地元にはシベリアに似たもので「とら巻き」「かす巻き」というものがあります。
あんこをカステラ生地、巻き寿司のように巻いて、外側にとら模様の焼目がついてあったり、ザラメがまぶしてあったりします。
とら模様のほうを「とら巻き」、ザラメがついているほうを「かす巻き」と言ったりしますが、地域によって若干異なります。
「かす巻き」の「かす」はカステラの「カス」です。
緑茶にも珈琲にも合うんですよね~。どちらも濃い目に入れたほうがおススメです。
出典:藤田チェリー豆総本店 謹製 手焼きかす巻【e-ながさきどっとこむ】
長崎・島原半島の銘菓「とら巻」。紀州や四国の阿波、伊予地方でも作られているが、同県島原市の 美弥光(みやこ)製菓は今夏、全国で唯一、プロ野球・阪神球団公認のとら巻「阪神タイガースとら巻」(2本入り980円)を発売した。 とら巻の特徴であ るトラ模様の生地は、熱い鉄板に専用の紙を敷いて生地を載せ、紙の収縮でまだらの焼き目がつくことで生まれる。
長崎の対馬・壱岐と島原の郷土菓子です。有明海を挟んだ熊本でも「かす巻き」は認知されていて、江戸時代の参勤交代帰りのお殿様用につくられたものと言われています。当時はカステラもものめずらしいですし、砂糖自体が高級品なので、あんこも高級品です。
カステラとあんこを手にしたときに、
カステラにあんこをのせたくなるのは日本人の性なのかもしれません。
食べやすくサンドしちゃったり、巻いてみたり。。。
江戸時代からかす巻きというお菓子は長崎にあったので、
シベリアを考案した人は、長崎のかす巻きのことを知ってたんじゃないのかなと思います。
もしくは江戸時代に長崎警備職の際に伝えられた愛媛タルトを知っていたのではないでしょうか。
「カステラ」と言えば南蛮貿易の異国イメージがありますが、
「かす巻き」となると日本語というか、土着の言葉となっています。
「シベリア」というネーミングだと異国イメージではありますがちょっと寂しい感じですよね。考案者は何を思ってこの名前にしたのでしょうか?
単純に涼しい名前にしたかっただけとも思われますが、歴史を振り返ってみれば大正デモクラシーから戦争へと突入していく時代の甘い香りと破滅的なうら寂しいイメージもあります。
テレビ放送を見るときにはシベリアを食べながらのほうが、より『風立ちぬ』を楽しめますね。
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