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ほっとな物語

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葛飾北斎の浮世絵の魅力を娘や自身の強烈な生涯(生き様)から感じる

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http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/7f/Hokusai-fuji7.png

出典:Wikipedia

 

欧米でこの人の名前を出せば知らない人はいないんじゃないかというくらい、有名な日本人、浮世絵師・葛飾北斎。北斎の与えた影響は計り知れません。『ジャポニズム』の代表格とも言える人物です。ファン・ゴッホ、ポール・ゴーギャン、エミール・ガレ、アンリ・リヴィエールなど名立たる芸術家が影響を受けています。音楽家ドビュッシーの『海』は北斎の『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』からインスピレーションを受けて作ったものといわれています。葛飾北斎という画家はどのような人物だったのでしょうか?

 

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引越し93回!一体年に何回引越ししたのでしょう??

 

当時の江戸の人たちはもともと引越し好きの傾向にはあったようですが93回ってね。同居していた娘・お栄ともども、絵のことばっかりやっていて、どうやらゴミの中でくらしていたようです。娘・お栄は葛飾応為という画号で肉質画を得意としました。北斎の代筆をしたとも考えられています。2人とも、片付けるくらいなら引っ越したほうがいいって思ったのかもしれません。1秒でも絵を描いていたかったんでしょうね。気持ちは分かる気がします。集中して作品を作っている時には、やたらと部屋を片付ける気がしないんですよね。『堕落論』の坂口安吾の部屋もこの上なく乱雑極まりない有様だったようで、奥さんが片付けようものならアザができるほどに殴られたそうです。絵の事のみが彼のすべての関心ごとであり、着るものから住家に至るまでまったく無頓着だったそうです。娘・お栄も北斎に画力も性格も似ちゃったみたいです。夫である堤等琳の門人、南沢等明の絵を笑ったのがきっかけで離縁されています。食べた食器もそのまま。布団にはしらみが大発生。家の中はゴミだらけ。家に来るお客さまに出すお茶もお隣の小僧さんがやっていたという話もあります。こんな案配の乱れた暮らしをしていてなんであんなに長生きしたのか疑問です。面白い親子ですね。

 

 

好物は大福餅と蕎麦!

 

北斎は下戸の甘党だったようです。来訪者が大福餅を手土産に持っていくと喜んで食べたんだとか。江戸の下町のゴミだらけの長屋で好々爺が舌鼓を打ちながら大福餅と蕎麦を食べている姿が目に浮かびます。とことん絵の事以外には興味がなかったようで、生魚をもらっても料理をするのが面倒くさいというので人にあげてしまっていました。寝る前には2杯の蕎麦を好んで食べていたそうです。

 

 

超売れっ子なのにいつも貧乏

 

芸術家の中には、亡くなってから名前が売れたタイプの人と、生きているうちに世間に認められるタイプがあります。北斎は後者で、19歳で勝川春章の門を叩いて以降、才覚を発揮していきます。将軍にも天皇にも愛された画家で、画料も半端ではなかったはずなのですが、亡くなるまで借家暮らしの貧乏だったというから驚きです。クライアントからもらった画料も封筒に入れたまま。米屋が取り立てに来ればそっくりそのまんま投げつけていたといいます。お金に関して無頓着もいいところです。創作というのは、お金の事をちまちま考えていると思い切った作品ができないので、北斎に神様が絵の事に集中する才能を与えたのだとしたら、ルーズな金銭感覚はそのセットとして与えられた才能なんでしょうね。

 

 

 

実は武士の血が流れている!?シーボルトとも喧嘩?

 

北斎の父は幕府御用達の鏡師。養父という説もあります。幕府御用達の絵師、狩野家ともども武家に準ずる扱いを受ける身分です。母は忠臣蔵・吉良方の剣豪、小林平八郎の子孫に当たります。乞食に間違われるような格好で江戸の町を歩き、田舎者と陰口を叩かれるのを喜んでいた好々爺ですが、誇りはしっかりとあったようです。シーボルトから絵を値切られたときにも、極貧にもかかわらず、売らずに帰ってきたとか。日本人は人をみて値段を変えると思われたくないという強い気持ちがありました。北斎は己を高く持っていました。己を高く持つために、まだまだやれるという気持ちを常とし、画業を極めようとしました。90歳でこの世を去るときに「天我をして五年の命を保たしめば 真正の画工となるを得べし」といって亡くなったそうです。絶筆に近い作品とされる『富士越龍図』で龍が天へと昇っていく様は「真正の画工」を追い求める北斎の姿が重なります。

 

http://blog.izumishobo.co.jp/sakai/img/Hokusai-fuji.png出典:izumishobo.co.jp

 

 

Googleのロゴに「神奈川沖浪裏」

 

2010年10月31日は北斎の生誕250周年を記念してGoogleのロゴに「神奈川沖浪裏」が登場しました。天国で見てて喜んだかもしれませんね。今生きていたらどんな材料を使って、どんな絵を描いているでしょうね。アニメとか見たらビックリするかもしれないですね。私が個人的に好きな絵は、「富嶽三十六景 甲州三島越」(本当は漢字違いますが)。あんなでっかい木と富士山が喧嘩していないのがすごいと思います。

 

 

 

追記(2015/4/10)葛飾北斎の娘・お栄のアニメ『百日紅(さるすべり)~Miss HOKUSAI~』 映画公開日

2015年5月9日(日)に『百日紅(さるすべり)~Miss HOKUSAI~』 が公開されますね。主人公は北斎の娘・お栄。

主題歌は椎名林檎さんの「最果てが見たい」。お栄と椎名林檎さんてイメージが似ている気がします。

 

 

参考文献
・「北斎展 HOKUSAI」カタログ 2005年 日本経済新聞社